かぶと虫の幼虫は朽木、腐葉土などを探し求めて場所を移動しながら食べるのですが、クワガタムシの幼虫は、朽ちかけた木の中に入り込み、ほぼ同じ木の中でサナギになるまで木を食べて育ちます。かぶと虫の幼虫はサナギを作る場所はマット状になった木くず又は腐葉土の中でマットを固めて部屋を作りますが、クワガタムシの幼虫は木の中でサナギの部屋を作ります。また、かぶと虫の幼虫は丸1年で成虫に成りますが、クワガタムシの幼虫は種類にもよりますが1年で成虫になるものと2年かけて成虫になるものが居ます。
地域によって大きさが違う場合は、遺伝が原因です。同じ地域なのに大きさが違う場合は、幼虫の間に食べていた物や気温など環境の差によって変わります。クワガタムシは幼虫期間の気温が高かったり、食べ物が豊富にあると発育が早く、小型の成虫になります。反対に、気温も低く食べ物が少ないと、幼虫はゆっくりと成長するので大型の成虫になるようです。
昆虫は、人間のように皮膚が伸び縮みしません。幼虫は成長するにしたがい、体が大きくなります。最初の頃は皮膚のしわの部分で調整しますが、ある程度の大きさになってくると、そのしわの部分だけでは不十分な状態になってしまうため、古い皮膚の下にそれまでよりも大きな皮膚ができ、古い皮膚を脱ぎ捨てていくのです。この行動を脱皮といい、幼虫が成長していく上で、絶対に必要な行動です。
すべての外灯に集まるわけではありません。紫外線を発光する光源である水銀灯や誘蛾灯などの照明に集まるのですが、道路を照らす夜間照明(黄色やオレンジ色の光源)にはあまり集まりません。それは、目に見える光(可視光線)の領域が人間は紫色380nm(※)から赤色760nmであるのに対し、昆虫はそれよりも短い波長の260nmから700nmです。昆虫は人間には見えない紫外線(260~380nm)を見て水銀灯や誘蛾灯に集まります。
(※) nm(ナノメートル)…波長を表す単位 nano metre(英) 1nm=10-9m(10の9乗分の1)
幼虫の体の約3分の2が胃や腸などになっていて、卵から孵化(ふか)した直後と比べると約300倍に成長します。その間、かぶと虫の幼虫は洗面器3杯分の腐葉土を食べます。クワガタムシの幼虫は、かぶと虫に比べるとあまり食べません。
直射日光の当たるところに置くと、体温を調整する機能の乏しい昆虫類では、体温の急上昇を招き、死んでしまいます。日の当たらない場所で、クーラー等の風の当たる場所も避けましょう。殺虫剤や、蚊取り線香、タバコの煙もよくないので、かからないように注意しましょう。
かぶと虫やクワガタムシを飼育していると、体に小さい虫がわいている場合がありますが、皮膚の柔らかい部分から体液を吸うダニです。あまり数が増えすぎると体力が奪われてしまうので、歯ブラシでこすり落としてやりましょう。