飼育ケースの蓋が閉まる程度の昆虫マットを用意します。マットはやかんなどを用いて、手で握って固まり団子ができるが少し崩れるぐらいまで、少しづつまんべんなく湿らせてください。マットの準備ができたら幼虫をそっとマットの上に置いてください。元気な幼虫はすぐに潜りますが、なかなか潜らない幼虫は、そのまま死んでしまう場合があります。
玄関など直射日光の当たらない日陰で涼しい場所や室内の場合は暖房をしていない場所が最適です。また屋外で飼うときは直射日光や雨の当たらない場所がいいでしょう。
幼虫は、昆虫マットなどの朽ち木を粉砕したものや腐葉土などを食べて育ちます。冬期は活動が鈍り食欲も落ちますが、二齢・三齢期の食欲は旺盛です。マットは霧吹きなどで適度に湿り気を保つようにしましょう。夏終わり頃に孵化した幼虫が手のひらに乗るぐらいになる頃(冬前)にはマットの上に黒いフンが目立ってきます。その場合はフンを取り除いてマットを追加してください。その後サナギになる前(春先)に一度マットの追加を行います。この時、マットの底部に少し土を混ぜておくと、そこにサナギになった時に入る部屋を作ります。ケースの側面を黒い紙で覆うと幼虫やサナギの様子が観察できるので試してみましょう。
幼虫は、早いもので4月下旬、遅くても6月下旬頃までに体の色がだんだんと黄色っぽくなり、体も少し縮まります。マットの中で体をグルグル回し、周りのマットやフンなどを塗り固めて適当な大きさの部屋を作ります。この部屋は蛹室と呼びます。この時期にケースを動かしてしまうと蛹室が潰れてしまい、羽化に失敗します。また、サナギが死んでしまうこともあるので注意しましょう。
飼育ケースの1/3~1/2位まで昆虫マットを入れます。マットの湿り気加減は幼虫時と同様。のぼり木や落ち葉などを入れてやると裏返っても起き上がることができます。
オスとメスをいっしょに飼育していると、ほとんどが産卵します。狭いケースの場合、成虫が動き回るので卵が潰れてしまいます。産卵後はマットごと他のケースに移して成虫と分けてやりましょう(要注意)。